解雇理由とは?解雇理由ランキングと不当な解雇理由への対処法4つ
外資系企業の解雇理由にどのようなものがあるか知りたいと悩んでいませんか?
外資系企業は解雇されやすいというようなことを聞いてしまうと、一体どのような理由で解雇されてしまうのか不安に感じてしまう方もいますよね。
解雇理由とは、解雇する理由のことです。
解雇理由としてとくに多いのは、パフォーマンス不足ですが、コミュニケーション能力や勤務態度の不良、ハラスメント、ポジションクローズといった理由を指摘されることもあります。
解雇された際にその理由を知るためには、解雇理由証明書を請求することになります。
解雇理由が不当な場合には、生活やキャリアを守るために、焦らずに冷静に対処する必要があります。
離職票上、解雇理由は、「解雇(重責解雇を除く。)」と「重責解雇(労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇)」に区別され、前者は会社都合、後者は自己都合として処理されることになります。
実は、外資系の解雇理由には一定の傾向がありますので、その内容を知っておくこと対策も講じやすくなるのです。
この記事をとおして、外資系で働く従業員の方にどのような解雇理由があるのかについて知っていただければ幸いです。
今回は、解雇理由とはどのようなものかを説明したうえで、よくある解雇理由のランキングと不当な解雇理由への対処法4つを解説していきます。
この記事を読めば、外資系企業の解雇理由の傾向や対策がよくわかるはずです。
目次(contents)
1章 解雇理由とは
解雇理由とは、解雇する理由のことです。
労働法上、解雇するには、客観的に合理的な理由が必要とされています。
例えば、気に入らないからなどの主観的な理由では解雇することはできません。
企業は、具体的なエピソードから誰が見ても雇用を継続することができないことを説明しなければいけないのです。
そのため、解雇が不当なものであるのかどうか、法的な見通しを立てるうえで、解雇理由は非常に重要なものとなります。
2章 解雇理由ランキングTOP5
外資系の解雇理由には一定の傾向がありますので、その内容を知っておくこと対策も講じやすくなります。
外資系企業の従業員の方から多くの解雇相談を受けている中で、本当に気を付けてほしいと感じる解雇理由をランキングにすると以下のとおりです。
2位:コミュニケーション能力
3位:勤務態度
4位:ハラスメント
5位:ポジションクローズ
それでは、これらの理由について順番に説明していきます。
2-1 1位:パフォーマンス不足
よくある解雇理由ランキングの1位は、パフォーマンス不足です。
期待したパフォーマンスに達していないとして、雇用を継続することができないと言われるのです。
外資系企業では、高額の年収が支払われる一方で、高い成果を期待される傾向にあります。
例えば、KPIを設定されて未達であることを指摘されるケースやパフォーマンスレビューなどを理由にされるケースもあります。
2-2 2位:コミュニケーション能力
よくある解雇理由ランキングの2位は、コミュニケーション能力です。
外資系企業は成果を重視する傾向にあると言われますが、同僚や上司、部下との関係や評価についても見られています。
例えば、メールでのやり取りが不明確であったり、同僚や上司に必要な協力を求めたりすることができないような場合には、解雇理由とされることがあります。
2-3 3位:勤務態度
よくある解雇理由ランキングの3位は、勤務態度です。
勤務態度なども解雇理由の一つとして挙げられることが多くなっています。
遅刻が多かったり、積極性に乏しかったりといった内容です。
遅刻については、電車の遅れなどであれば遅延証明書をもらい、上司に連絡をしておくといいでしょう。
また、会議などで何も発言しないと積極性が不足していたなどと指摘されることが多いので、なるべく発言をするように心がけましょう。
2-4 4位:ハラスメント
よくある解雇理由ランキングの4位は、ハラスメントです。
最近、多くなっているのがハラスメントを理由とする解雇です。
例えば、部下からパワハラについて告発されたような場合には、これを解雇理由とされることがあります。
また、部下や取引先の異性に性的な接触や発言をすれば、セクハラとして解雇理由とされることがあります。
2-5 5位:ポジションクローズ
よくある解雇理由ランキングの5位は、ポジションクローズです。
ポジションクローズとは、自分のポジションがなくなってしまうことです。
外資系では、ポジションごとに従業員を採用する傾向があり、ポジションと従業員の結びつきが強いため、そのポジションがなくなった場合に解雇されてしまうことがあるのです。
ポジションクローズについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
従業員側に落ち度がない場合でも、解雇されることになりますので、誰であっても対象とされてしまう可能性があります。
3章 解雇理由証明書
解雇理由証明書とは、解雇理由が記載された証明書のことです。
企業は、労働基準法上、従業員から解雇理由証明書を請求された場合には、これを交付する義務があるとされています。
従業員は、解雇された際には、まずは解雇理由証明書を請求するのが通常です。
解雇理由を知ることで、解雇が不当かどうか見通しを立てやすくなりますし、どのような主張や証拠を準備すればいいのかを把握することできます。
また、企業側が後から解雇理由を追加しづらくなるという事実上の意味もあります。
4章 解雇理由が不当な場合の対処法
解雇理由が不当な場合には、生活やキャリアを守るために、焦らずに冷静に対処する必要があります。
企業は、解雇が不当な場合であっても、従業員が何も行動を起こさなければ、解雇が有効な前提で手続きを進めてきます。
例えば、解雇理由が不当な場合には、以下の手順で対処していくことになります。
手順2:通知書の送付
手順3:交渉
手順4:労働審判・訴訟の提起
それでは、これらの手順について順番に説明していきます。
4-1 手順1:弁護士に相談
解雇理由が不当な場合の対処手順の1つ目は、弁護士に相談することです。
解雇については、その見通しを分析したうえで、一貫した対応をしていく必要があります。
早い段階で十分な証拠を集めることができたかどうかが結果に大きく影響していきます。
ただし、外資系企業の解雇についてはとくに専門性が高い分野になりますので、この分野に詳しい弁護士に相談するのがおすすめです。
4-2 手順2:通知書の送付
解雇理由が不当な場合の対処手順の2つ目は、通知書を送付することです。
不当な解雇されたら早めに企業に対して、解雇が濫用として無効であることを指摘する必要があります。
従業員が解雇された後、何もせずに長期間放置していると、解雇を認めていたと指摘されたり、就労の意思がなかったと指摘されたりするリスクがあるためです。
4-3 手順3:交渉
解雇理由が不当な場合の対処手順の3つ目は、交渉することです。
従業員が企業に対して解雇が無効であると通知すると、通常2~3週間で回答があります。
企業からの回答があると争点が明確になりますので、話し合いにより折り合いをつけることが可能かどうか協議することになります。
話し合いにより解決できれば合意書を作成して示談をすることになります。
4-4 手順4:労働審判・訴訟の提起
解雇理由が不当な場合の対処手順の4つ目は、労働審判・訴訟の提起です。
話し合いによる解決が難しい場合には、労働審判や訴訟などの裁判所を用いた解決を検討します。
労働審判は、全三回の期日で調停による解決を目指す手続きであり、調停が成立しない場合には労働審判委員会が審判を下します。迅速、かつ、適正に解決することが期待できます。
労働審判については、以下の動画でも詳しく解説しています。
訴訟は、期日の回数の制限などは特にありません。1か月に1回程度の頻度で期日が入ることになり、交互に主張を繰り返していくことになります。解決まで1年程度を要することもあります。
5章 解雇理由と離職票
離職票上、解雇理由は、「解雇(重責解雇を除く)」と「重責解雇(労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇)」に区別されています。
解雇(重責解雇を除く)というのは、重責解雇以外の解雇のことです。パフォーマンス不足など多くの解雇はこちらに区分されています。
解雇(重責解雇を除く)にチェックされている場合には、会社都合として処理されることになります。
これに対して、重責解雇とは、労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇のことです。
例えば、刑法の規定違反、故意又は重過失による設備や器具の破壊又は事業所の信用失墜、重大な就業規則違反等により解雇された場合とされています。
重責解雇にチェックされている場合には、自己都合として処理されることになります。
6章 外資系企業をクビになったらリバティ・ベル法律事務所にお任せ!
外資系企業をクビになったら、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。
この分野は、専門性が高い分野であるため、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
解雇の有効性につき見通しを分析したうえで、あなたの意向を踏まえて、外資系企業の性質に応じて適切に方針を策定する必要があります。
リバティ・ベル法律事務所では、解雇や退職勧奨事件に力を入れており、特に外資系企業とのパッケージ交渉について圧倒的な知識とノウハウを蓄積しています。
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初回相談は無料となっておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
7章 まとめ
以上のとおり、今回は、解雇理由とはどのようなものかを説明したうえで、よくある解雇理由のランキングと不当な解雇理由への対処法4つを解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
・解雇理由とは解雇する理由のことで、労働法上は客観的に合理的な理由が必要とされています。
・外資系企業の従業員の方から多くの解雇相談を受けている中で、本当に気を付けてほしいと感じる解雇理由をランキングにすると以下のとおりです。
1位:パフォーマンス不足
2位:コミュニケーション能力
3位:勤務態度
4位:ハラスメント
5位:ポジションクローズ
・解雇理由証明書とは、解雇理由が記載された証明書のことです。
・解雇理由が不当な場合には、以下の手順で対処していくことになります。
手順1:弁護士に相談
手順2:通知書の送付
手順3:交渉
手順4:労働審判・訴訟の提起
・離職票上の解雇理由は、「解雇(重責解雇を除く。)」と「重責解雇(労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇)」があり、前者は会社都合、後者は自己都合となります。
この記事が解雇理由にどのようなものがあるか知りたいと悩んでいる外資系業の従業員の方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
弁護士 籾山善臣
神奈川県弁護士会所属。不当解雇や残業代請求、退職勧奨対応等の労働問題、離婚・男女問題、企業法務など数多く担当している。労働問題に関する問い合わせは月間100件以上あり(令和3年10月現在)。誰でも気軽に相談できる敷居の低い弁護士を目指し、依頼者に寄り添った、クライアントファーストな弁護活動を心掛けている。持ち前のフットワークの軽さにより、スピーディーな対応が可能。 【著書】長時間残業・不当解雇・パワハラに立ち向かう!ブラック企業に負けない3つの方法 【連載】幻冬舎ゴールドオンライン:不当解雇、残業未払い、労働災害…弁護士が教える「身近な法律」、ちょこ弁|ちょこっと弁護士Q&A他 【取材実績】東京新聞2022年6月5日朝刊、毎日新聞 2023年8月1日朝刊、週刊女性2024年9月10日号、区民ニュース2023年8月21日