ポジションクローズとは?退職金相場や判例と退職勧奨への対処法4つ

ポジションクローズとは?退職金相場や判例と退職勧奨への対処法4つ

外資系企業のポジションクローズとは?

ポジションクローズとはどのようなものか知りたいと悩んでいませんか

外資系企業から突然ポジションクローズをすると言われても戸惑ってしまいますよね。

ポジションクローズとは、外資系企業などが特定の役職や職種、部門等のポジション等をなくすことをいいます

外資系企業がポジションクローズをする理由としては、人員削減や部門廃止、狙い撃ちなどがあります。

外資系企業は、ポジションクローズの際には、クローズするポジションにいる従業員に対して、退職勧奨を行う傾向にあります。

その際には、特別退職金を提案されることがあり、その相場は賃金の3か月分から1年6か月分程度です。

ポジションクローズによる退職勧奨をされた場合には、生活やキャリアを確保するために適切に対処していく必要があります。

実は、私が多くの外資系企業の退職勧奨に関わる中でも、ポジションクローズを告げられ、焦ってしまい、その場で不利な発言や態様をしてしまう方が後を絶ちません

一度行ってしまった行動は、後から撤回することが簡単ではありませんので、リカバリーできないことも珍しくないのです

この記事をとおして、外資系企業からポジションクローズを言い渡された際の正しい対応を少しでも多くの方に知っていただければ幸いです。

今回は、ポジションクローズとは何か、その意味を説明したうえで、退職金相場や判例と退職勧奨への対処法4つを解説していきます。

この記事を読めば、ポジションクローズを告げられたらどうすればいいのかがよくわかるはずです。

ポジションクローズについては、以下の動画でも詳しく解説しています。

1章 ポジションクローズとは?

ポジションクローズとは?

ポジションクローズとは、外資系企業などが特定の役職や職種、部門等のポジション等をなくすことをいいます

外資系企業では、従業員とポジションとの結びつきが日系企業に比べて非常に強いです。求人についても、ポジションごとに出されることになります。

しかし、外資系企業は、経営の合理化を目指す中で、定期的にポジションの見直しを行います

このような見直しにより、自分が今就いているポジションがなくなってしまう場合に、ポジションクローズを告げられることになります。

例えば、外資系企業は、「営業部のシニアマネージャー」のポジションを設定され、そのポジションごとに求人を出されていたとしましょう。

あなたが、そのポジションで無事に採用された場合でも、その後に営業部のシニアマネージャーのポジションを1人に絞ることにしたので、あなたのポジションはなくなると言われることがあります。

これが外資系企業のポジションクローズです。

これに対して、日系企業では、従業員の個性などに着目して採用した後に、適性に応じて業務を割り振ります。昇進や異動などをとおして、様々な業務を経験させながら、定年まで長期にわたり雇用していくので、ポジションと従業員の結びつきは弱いのです。

2章 ポジションクローズの理由

ポジションクローズをされる際には、会社側にも何らかの理由があります

通常は、経営の合理化が理由ですが、恣意的な理由よりポジションクローズされることもあります。

例えば、ポジションクローズの理由としては、以下の3つが挙げられます。

理由1:人員削減
理由2:部門廃止
理由3:狙い撃ち

ポジションクローズの理由

それでは、各理由について順番に説明していきます。

2-1 理由1:人員削減

ポジションクローズの理由の1つ目は、人員削減です。

外資系企業では売り上げが低下している場合や利益率をさらに上げようとする場合には、グローバルで●名のヘッドカウントを減らすなどの目標を掲げることがあります。

外資系本社がこのような目標を掲げた場合には、日本法人にも削減目標が課されることになります。

日本法人が人員を削減するように目標を課された場合には、日本法人内で削減しても問題のないポジションを検討することになります。

そこで、対象に選ばれたポジションがクローズされることになります。

2-2 理由2:部門廃止

ポジションクローズの理由の2つ目は、部門廃止です。

外資系企業では、経営の合理化のため、組織構造が見直されることがあります。

その際に、複数の部門の機能を1つに統合し、一方の部門を廃止するような場合があります。

このような場合には、廃止されることとなった部門のメンバー全員に対して、ポジションクローズを言い渡されることになります。

2-3 理由3:狙い撃ち

ポジションクローズの理由の3つ目は、狙い撃ちです。

会社側は、気に入らない従業員のポジションをクローズして、その従業員を排除しようとしてくることがあります。

例えば、上司と馬が合わない場合にその上司が外国本社にあなたのことを悪く報告したり、日本法人のトップに嫌われてしまったりということも珍しくありません。

このような場合には、狙い撃ち的にポジションクローズを言い渡されることがあるのです。

3章 ポジションクローズによる退職勧奨

外資系企業は、ポジションクローズの際には、クローズするポジションにいる従業員に対して、退職勧奨を行う傾向にあります

退職勧奨とは、従業員に対して退職を促すことです。

先ほど説明したように、外資系企業ではポジションと従業員の結びつきが密接であるためです。

日系企業では、ポジションがなくなるのであれば他のポジションへの異動が検討されるだけであり、退職するように言われることなど考えにくいでしょう。

しかし、外資系企業は、その従業員はそのポジションの為に採用した者であるため、ポジションがなくなるのであれば、退職してもらうという発想をするのです

例えば、ある日、突然、人事担当者から面談を設定されます。

これを受けて、面談に参加してみると、上司や人事担当者などがいて、ポジションクローズになった旨、退職合意書を用意したのでサインしてほしい旨を告げられるのです。

そのため、ポジションクローズの際には、退職勧奨をされることがあるのです。

4章 ポジションクローズの特別退職金相場

ポジションクローズの特別退職相場は、賃金の3か月分~1年6か月分程度です。

特別退職金とは、通常の退職金とは別に、これに割り増して支払われる退職金のことです。退職金制度がない会社でも支払われることがあります。

特別退職金については、以下の動画でも詳しく解説しています。

特別退職金については、勤続年数を基準にして、勤続年数×1か月分程度(下限は2か月程度、上限は1年6か月分程度)などとして、提案される傾向にあります。

最初に提案された金額から特別退職金の金額を増額できるかは、解雇の条件が揃っているか、その会社で働き続ける意思があるか等により決まることになります。

特別退職金の相場については以下の記事で詳しく解説しています。

5章 ポジションクローズによる退職勧奨への対処法4つ

ポジションクローズによる退職勧奨をされた場合には、適切に対処していく必要があります

あなた自身の生活やキャリアを守る必要があるためです。

例えば、外資系企業からポジションクローズによる退職勧奨を言い渡された場合には、以下のように対処します。

対処法1:すぐに退職合意書にサインしない
対処法2:ポジション変更を示唆された場合は条件を確認する
対処法3:退職条件を交渉する
対処法4:退職勧奨の対象者で団結する

ポジションクローズによる退職勧奨への対処法4つ

それでは、各対処法を順番に説明していきます。

退職勧奨された場合のNG行動と正しい対処法は、以下の動画でも詳しく解説しています。

5-1 対処法1:すぐに退職合意書にサインしない

ポジションクローズによる退職勧奨への対処法の1つ目は、すぐに退職合意書にサインしないことです。

一度、退職合意書にサインをしてしまうと、後から撤回することは容易ではありませんし、退職条件の交渉も難しくなってしまいます

また、退職合意書を見せられてその場で冷静に内容を把握することは困難です

そのため、退職合意書を示されても、その場ですぐに退職合意書にサインするのではなく、一度持ち帰り冷静に検討してみることなのです。

5-2 対処法2:ポジション変更を示唆された場合は条件を確認する

ポジションクローズによる退職勧奨への対処法の2つ目は、ポジション変更を示唆された場合は条件を確認することです。

従業員がポジションクローズによる退職勧奨に応じない姿勢を示すと、ポジション変更を示唆されることになります。

会社からポジション変更を示唆された場合には、変更後の具体的な条件を確認するべきです。

そのうえで、賃金額等が変更されるような場合には、その根拠と理由を確認したうえで、給与テーブルなどを確認することになります。

もし、賃金の減額幅が大きすぎる場合には、濫用となることもあります

そのため、ポジション変更を示唆された場合であっても、安易な賃金の減額についてまでは承諾せず、毅然とした態度で対応することになります。

ただし、他の業務を行うこと自体を拒否すると解雇理由となってしまうことが多いため、業務自体には応じる対応が実務的です

5-3 対処法3:退職条件を交渉する

ポジションクローズによる退職勧奨への対処法の3つ目は、退職条件を交渉することです。

仮に退職に応じる場合でも十分な生活やキャリアが補償された状態で、退職するべきです。

例えば、特別退職金や在籍期間など、納得できる条件になるまでは退職に応じないとの対応をします。

ただし、どの程度の交渉をしていくかということについては、リスクも踏まえて方針を立てる必要があります。

外資系企業の退職条件の交渉については、以下の動画でも詳しく解説しています。

5-4 対処法4:退職勧奨の対象者で団結する

ポジションクローズによる退職勧奨への対処法の4つ目は、退職勧奨の対象者で団結することです。

ポジションクローズについては部門単位で行われることがあり、このような場合には退職勧奨の対象者は複数人となります。

このような場合、会社側は、交渉してきた一部のものだけに退職条件を増額することはなしないという対応をしてくることがあります。

他の従業員との公平を重視するためです。

そのため、部門単位のポジションクローズによる退職勧奨の場合には、退職勧奨の対象者で団結して交渉することが有効なのです

6章 ポジションクローズに関する判例|アボットジャパン事件

ポジションクローズに関する退職勧奨、及び、異動命令が争点となった裁判例として、アボットジャパン事件(東京地判令和3年9月29日D1-Law.com判例体系)があります。

この事案では、会社が労働者に対して、CRMマーケティングマネージャーのポジションを廃止することを理由として、退職勧奨を行いました。

ただし、会社は、従業員に対して、勤務の継続を希望する選択肢があることを説明したうえで、勤務継続を希望する場合には、退職を求めるつもりはなく、退職勧奨を継続しないこと、勤務を継続する場合には配置店先の業務に従事することになるが、賃金その他の具体的待遇に変更は生じない予定であると伝えています。

結局、会社は、従業員に対して、約半年にわたり配転先のポジションを協議し、ADC事業部のセールス・オペレーション・マネージャーのポジションへの配転を命じました。

労働者は、会社に対して、これについて異議を留保したうえで、命令が撤回されるまでは同命令に従う旨を通知しました。

このようにしてポジションクローズに伴う配転命令の有効性が争いとなったのが本件です。

当該裁判例は、ポジションクローズに関して必要性を認め、ポジションクローズが交易通報による不当な動機によるものではないとしたうえで、労働条件等の待遇面でも不利益が生じたとは認められないとして、配置転換を有効としました。

このように労働条件が不利益に変更になる場合は別として、ポジションクローズに伴い異動を命じられた場合には、これを正面から拒否することはリスクとなりますので、留意が必要です

7章 外資系企業のパッケージ交渉はリバティ・ベル法律事務所にお任せ!

外資系企業のパッケージ交渉は、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください

この分野は、専門性が高い分野であるため、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません

解雇の有効性につき見通しを分析したうえで、あなたの意向を踏まえて、外資系企業の性質に応じて適切に方針を策定する必要があります。

リバティ・ベル法律事務所では、解雇や退職勧奨事件に力を入れており、特に外資系企業とのパッケージ交渉について圧倒的な知識とノウハウを蓄積しています

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8章 まとめ

以上のとおり、今回は、ポジションクローズとは何か、その意味を説明したうえで、退職金相場や判例と退職勧奨への対処法4つを解説しました。

この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。

“まとめ”

・ポジションクローズとは、外資系企業などが特定の役職や職種、部門等のポジション等をなくすことをいいます。

・ポジションクローズの理由としては、以下の3つが挙げられます。
理由1:人員削減
理由2:部門廃止
理由3:狙い撃ち

・外資系企業は、ポジションクローズの際には、クローズするポジションにいる従業員に対して、退職勧奨を行う傾向にあります。

・ポジションクローズの特別退職相場は、賃金の3か月分~1年6か月分程度です。

・外資系企業からポジションクローズによる退職勧奨を言い渡された場合には、以下のように対処します。
対処法1:すぐに退職合意書にサインしない
対処法2:ポジション変更を示唆された場合は条件を確認する
対処法3:退職条件を交渉する
対処法4:退職勧奨の対象者で団結する

この記事が外資系企業からポジションクローズを言い渡されて困っている方の助けになれば幸いです。

以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。

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