外資系企業でよくある突然のリストラは違法!?3つの理由と対処手順
外資系企業から突然リストラを宣告されて困っていませんか?
生活もあるのにいきなり退職しなければいけないと言われたらパニックになってしまいますよね。
外資系企業ではある日突然リストラを言い渡されるということがよくあります。
しかし、外資系企業であっても、日本の法律では労働者をリストラすることは簡単ではなく、違法なリストラであることが非常に多いです。
外資系企業が突然のリストラを行う理由には、人件費削減、ポジションクローズ、日本からの撤退などがあります。
外資系企業は突然のリストラを行う際には紛争となることを防止するためパッケージ(特別退職金)の提案を行い、解雇ではなく、合意による退職というかたちをとることがよくあります。
パッケージ(特別退職金)の相場は、賃金の3か月分から賃金の1年6か月分程度と幅があります。
あなたが自分の生活やキャリアを守るためにも、リストラの対象に選ばれてしまった場合には正しい手順で対処していくことが必要です。
実は、私が、多くの外資系労働者からの相談を受ける中でも、このリストラに関する相談は非常に多く、外資系企業に勤める労働者にとって避けては通ることができない悩みとなっています。
リストラは労働者に落ち度がない場合にも対象とされてしまいますので、外資系企業に勤める労働者であれば誰であっても当事者となってしまう可能性があるのです。日本法人の代表者として雇用されている場合であっても、これは例外ではありません。
この記事をとおして、外資系企業からのリストラに困っている方に正しい法律知識を知っていただければと思います。
今回は、外資系企業でよくある突然のリストラの実態を説明したうえで、その違法性やよくあるリストラの理由3つ、対処手順について解説していきます。
この記事を読めば、外資系企業から突然リストラを言い渡された場合にどうすればいいのかがよくわかるはずです。
リストラについては、以下の動画でも詳しく解説しています。
目次(contents)
1章 外資系企業でよくある突然のリストラの実態
外資系企業では、ある日、突然リストラを言い渡されるということがよくあります。
日本企業との文化の違いや経済合理性の追求、外国本社の意向などがその原因です。
例えば、ある日、突然、上司やHRから面談を設定されます。
面談を設定される際には理由などは言われないことが多く、慣れている方だと、この時点でリストラの話だと気づくこともあります。
面談室に入ると上司とHR、外国本社の担当者などが待っていることが多いです。
面談が始まると早々にリストラの対象となったことを言い渡され、退職日や退職条件、回答期限などを告げられます。
明日からは仕事は行わず転職活動に時間を充てても良い旨を伝えられて、貸与PCの返還やアカウントのロックなどをされることも珍しくありません。
このように外資系企業では突然リストラを言い渡されてしまうことがあるのです。
2章 外資系企業のリストラも違法となる
外資系企業であっても、日本の法律では労働者をリストラすることは簡単ではなく、違法なリストラであることが非常に多いです。
労働契約法では、解雇には、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当でなければ、濫用として無効となります。
とくに、リストラにあたっては、整理解雇として、①人員削減の必要性、②解雇回避努力の有無、③人選の合理性、④手続の相当性といった要素から厳格に有効性が判断されます。
例えば、よくあるのが希望退職の募集を募ったり、異動を検討したりすることなく、リストラを言い渡すケースなどでは、不当なリストラとなりやすいでしょう。
リストラを言い渡しながら、採用活動を未だに継続している会社も同様です。
リストラが違法な場合には、解雇は無効となりますので、引き続き労働者としての地位を有することになりますし、解雇された日よりも後の賃金を遡って請求できます。
3章 外資系企業が突然のリストラを行う理由3つ
外資系企業が突然のリストラを行う際には、以下のような理由があります。
理由2:ポジションクローズ
理由3:日本からの撤退
それではこれらの理由について順番に解説していきます。
3-1 理由1:人件費削減
外資系企業が突然のリストラを行う理由の1つ目は、人件費の削減です。
売上や業務量の減少に対して、人員を削減することで、経営を合理化しようとするものです。
例えば、「グローバルでヘッドカウントを減らすことになり、日本からも何人か減らさなければいけないため、あなたが対象となりました。」などと言われることがあります。
3-2 理由2:ポジションクローズ
外資系企業が突然のリストラを行う理由の2つ目は、ポジションクローズです。
業務の一部を外部に委託することにした場合に部門やポジション単位でなくなってしまうことがあります。
例えば、「貴方のポジションがなくなることになったため、雇用を継続できなくなりました。」などと言われることがあります。
ポジションクローズについては、以下の動画でも詳しく解説しています。
3-3 理由3:日本からの撤退
外資系企業が突然のリストラを行う理由の3つ目は、日本からの撤退です。
日本法人を清算して撤退するため、雇用している従業員との雇用関係を清算することがあります。
例えば、「来年の4月で日本から撤退するため、退職してもらうことになります。」などと言われることがあります。
4章 外資系企業のリストラにおけるパッケージ(特別退職金)相場
外資系企業のリストラにおけるパッケージ(特別退職金)の相場は、賃金の3か月分から賃金の1年6か月分程度と幅があります。
外資系の退職勧奨(リストラ)パッケージとは、会社が労働者に任意に退職してもらうために支給する特別の退職金のことです。
労働者から不当解雇であると争われて紛争化した場合には、会社側としても大きなリスクを負うことになりますので、会社は労働者に自分から退職に応じるように説得するのです。
例えば、リストラを言い渡される際に退職合意書を渡され、そこに退職条件としてパッケージの金額が記載されていることが多いです。
パッケージについては法律上いくらを支払わなければいけないという決まりはなく、交渉により最終的な金額が決まることになります。
外資系企業における退職勧奨のパッケージについては、以下の動画でも詳しく解説しています。
5章 外資系企業のリストラへの対処手順3つ
リストラの対象に選ばれてしまった場合には、正しい手順で対処していくことが必要です。
何も言わずに退職合意書にサインをしてしまったら、生活もキャリアも守ることはできません。
具体的には、外資系企業からリストラを言い渡された場合には、以下の手順で対処していくことになります。
手順2:弁護士に相談する
手順3:交渉をする
それでは、各手順について、順番に説明していきます。
退職勧奨された場合のNG行動と正しい対処法は、以下の動画でも詳しく解説しています。
5-1 手順1:退職合意書はサインせずに持ち帰る
外資系企業のリストラへの対処手順の1つ目は、退職合意書はサインせずに持ち帰ることです。
退職合意書にサインしてしまうと、リストラや退職条件が不当であっても、それ以上の交渉は困難となります。
退職合意書の内容についてその場で正確に判断することは容易ではありません。
例えば、「一度、専門家に相談したいので、この場で回答することはできません。」などと回答して、退職合意書は一度持ち帰るようにしましょう。
5-2 手順2:弁護士に相談する
外資系企業のリストラへの対処手順の2つ目は、弁護士に相談することです。
リストラが正当かどうかについては法的な問題であり、弁護士に相談すべき事項です。
また、交渉を行うにあたっては、労働者にもリスクがありますので、適切に見通し分析したうえで、方針を策定する必要があります。
そのため、リストラの対象とされた場合には、早い段階で弁護士に相談するべきなのです。
5-3 手順3:交渉をする
外資系企業のリストラへの対処手順の3つ目は、交渉をすることです。
分析した見通しと、策定した方針に従い、会社側と交渉をしていくことになります。
6章 外資系企業を40代・50代でリストラになった場合の転職事情
外資系企業を40代・50代でリストラになった場合でも、多くの方は転職をすることができています。
ただし、55歳を超えているような場合には、転職活動に難航しがちなので、リストラの対象になったとしても、合意に応じるか否かは慎重に考えた方がいいでしょう。
平均的な転職期間については4か月程度ですが、時期によっては同じようなポジションの募集が終了してしまっていて6か月以上かかってしまうこともあります。
早く就職しようとすると待遇も悪くなってしまいがちなので、退職に応じるのであれば、長期の転職活動に耐えられる十分な補償を獲得したいところです。
7章 外資系企業のリストラはリバティ・ベル法律事務所にお任せ!
外資系企業のリストラの相談は、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。
この分野は、専門性が高い分野であるため、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。
リストラの有効性につき見通しを分析したうえで、あなたの意向を踏まえて、外資系企業の性質に応じて適切に方針を策定する必要があります。
リバティ・ベル法律事務所では、解雇や退職勧奨事件に力を入れており、特に外資系企業とのパッケージ交渉について圧倒的な知識とノウハウを蓄積しています。
また、解雇やパッケージ交渉を含む退職勧奨対応については、依頼者の方の負担を軽減するために着手金無料、完全成功報酬としております。
初回相談は無料となっておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
8章 まとめ
以上のとおり、今回は、外資系企業でよくある突然のリストラの実態を説明したうえで、その違法性やよくあるリストラの理由3つ、対処手順について解説しました。
この記事の要点を簡単に整理すると以下のとおりです。
まとめ
・外資系企業では、ある日、突然リストラを言い渡されるということがよくあります。
・外資系企業であっても、日本の法律では労働者をリストラすることは簡単ではなく、違法なリストラであることが非常に多いです。
・外資系企業が突然のリストラを行う際には、以下のような理由があります。
理由1:人件費削減
理由2:ポジションクローズ
理由3:日本からの撤退
・外資系企業のリストラにおけるパッケージ(特別退職金)の相場は、賃金の3か月分から賃金の1年6か月分程度と幅があります。
・外資系企業からリストラを言い渡された場合には、以下の手順で対処していくことになります。
手順1:退職合意書はサインせずに持ち帰る
手順2:弁護士に相談する
手順3:交渉をする
この記事が外資系企業からリストラの対象とされてしまって悩んでいる方の助けになれば幸いです。
以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。
弁護士 籾山善臣
神奈川県弁護士会所属。不当解雇や残業代請求、退職勧奨対応等の労働問題、離婚・男女問題、企業法務など数多く担当している。労働問題に関する問い合わせは月間100件以上あり(令和3年10月現在)。誰でも気軽に相談できる敷居の低い弁護士を目指し、依頼者に寄り添った、クライアントファーストな弁護活動を心掛けている。持ち前のフットワークの軽さにより、スピーディーな対応が可能。 【著書】長時間残業・不当解雇・パワハラに立ち向かう!ブラック企業に負けない3つの方法 【連載】幻冬舎ゴールドオンライン:不当解雇、残業未払い、労働災害…弁護士が教える「身近な法律」、ちょこ弁|ちょこっと弁護士Q&A他 【取材実績】東京新聞2022年6月5日朝刊、毎日新聞 2023年8月1日朝刊、週刊女性2024年9月10日号、区民ニュース2023年8月21日