レイオフとは?意味・リストラとの違いと外資系での違法性・対処法

レイオフとは?意味・リストラとの違いと外資系での違法性・対処法

外資系企業で「レイオフの対象になった」と告げられ、突然の説明に戸惑ってしまう方は少なくありません。

レイオフの意味やリストラとの違い、日本でも簡単に解雇されてしまうのかがわからないと、今後の生活や対応に不安を感じるでしょう。

この記事の要点
・レイオフとは、会社側の事情による人員削減を指す言葉であり、日本では独立した法律上の制度ではありません。
・外資系企業によるレイオフでも日本の解雇規制が適用されるため、退職条件を確認し、すぐに書面へ署名しないことが重要です。

この記事を読めば、レイオフの意味やリストラとの違い、外資系企業で告げられた場合の対処法がよくわかるはずです。

レイオフとは何かについては、以下の動画でも詳しく解説しています。

目次(contents)

1章 レイオフとは?意味をわかりやすく解説

1章 レイオフとは?意味をわかりやすく解説

レイオフとは、一般に会社側の経営上の事情によって人員を減らすことを意味します。

ただし、一時的な雇用停止を指す場合と、雇用を恒久的に終わらせる場合があり、言葉だけでは労働契約がどうなるのか判断できません。

1-1 本来は再雇用を想定した一時的な人員削減を指す

本来のレイオフとは、会社の仕事が一時的に減った場合などに、労働者を一定期間仕事から離し、状況が改善した後に呼び戻すことを想定したものです。

米国の労働統計では、一時的なレイオフについて、復帰日が決まっている人又は一定期間内に元の仕事へ戻る予定がある人と説明されています。

この意味でのレイオフでは、会社との関係が完全に終わるとは限らず、将来の復職や再雇用が予定されることがあります。

例えば、受注が一時的に減少したため、事業が回復するまで一部の労働者を就業させないというケースです。

そのため、本来の意味でのレイオフは、雇用を恒久的に終了させる解雇とは異なるものです。

1-2 現在は再雇用を予定しない恒久的な人員削減にも使われる

現在では、レイオフという言葉は、再雇用を予定せずに労働者との雇用を終了させる人員削減にも使われています。

米国の労働統計でも、一時的なレイオフを受けた人と、雇用を恒久的に失った人は分けて扱われています。

特に外資系企業の発表や報道では、事業縮小や部門廃止によって労働者を退職させる場合も、広くレイオフと呼ばれます。

例えば、特定のポジションを廃止し、そのポジションで働く労働者との契約を終了させるケースです。

したがって、会社からレイオフと告げられた場合には、復職の予定があるのか、雇用が終了するのかを具体的に確認する必要があります。

1-3 個人の成績ではなく会社側の事情によることが多い

レイオフは、一般に労働者個人の成績ではなく、会社側の経営上の事情を理由として行われます。

主な理由としては、業績の悪化、事業の縮小、部門の廃止、人件費の削減などがあります。

米国の制度でも、事業上の理由による雇用終了と、本人に原因がある解雇は分けて扱われています。

例えば、会社がある事業から撤退し、その事業に所属する複数の労働者を対象とするケースです。

対象者を決める過程で評価や役職、給与額が考慮されることはありますが、レイオフの対象になっただけで仕事ができないと判断されたことにはなりません。

1-4 日本の法律上「レイオフ」という独立した制度はない

日本の法律には、「レイオフ」という名称の独立した制度はありません。

会社がレイオフという言葉を使っていても、実際の措置が解雇であれば解雇として、退職への同意を求めるものであれば退職勧奨として扱われます。

また、雇用を続けたまま会社側の都合で仕事を休ませる場合には、休業に関するルールが問題となります。

例えば、「レイオフの対象です」と説明されても、退職合意書への署名を求められているだけであれば、労働者が同意しない限り直ちに退職が成立するわけではありません。

そのため、日本でレイオフを告げられた場合には、会社が使った名称ではなく、労働契約をどのような方法で終わらせようとしているのかを確認する必要があります。

2章 レイオフとリストラ・解雇などの違い

レイオフと似た言葉でも、雇用が続くのか、労働者の同意が必要なのかは異なります。

この違いを知らないと、会社から受けた説明が解雇の通知なのか、退職の提案なのかを判断できません。

比較する用語としては、以下の5つがあります。

それでは、レイオフとそれぞれの用語の違いを順番に見ていきましょう。

2-1 レイオフとリストラの違い

レイオフは主に人員削減を指しますが、リストラは会社の経営や事業を立て直すことを広く指します。

リストラには、部門の統合、事業からの撤退、業務の見直しなども含まれます。

例えば、会社が不採算事業から撤退し、その一環として人員を削減する場合、事業全体の見直しがリストラであり、人員削減がレイオフです。

そのため、リストラの方が広い意味を持ち、レイオフはその手段の一つと考えるとわかりやすいでしょう。

リストラとは何かについては、以下の動画でも詳しく解説しています。

2-2 レイオフと解雇・整理解雇の関係

レイオフは人員削減を表す言葉であり、解雇は会社が一方的に雇用を終了させる法的な方法です。

日本で会社が労働者の同意を得ずに雇用を終了させれば、レイオフと呼んでいても解雇に当たります。

例えば、部門廃止を理由に会社が退職日を一方的に決めた場合には、整理解雇として有効性が判断される可能性があります。

したがって、レイオフという名称ではなく、会社が一方的に雇用を終了させるのかを確認することが必要です。解雇には、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が求められます。

整理解雇とは何かについては、以下の動画でも詳しく解説しています。

2-3 レイオフと退職勧奨の違い

レイオフと退職勧奨の違いは、労働者の同意が必要かどうかです。

退職勧奨は、会社が労働者に合意による退職を求めるものです。

例えば、「レイオフの対象です」と説明され、退職合意書への署名を求められた場合には、解雇ではなく退職勧奨の可能性があります。

退職勧奨は拒否でき、労働者が同意しなければ、それだけで退職は成立しません。

2-4 レイオフと一時帰休・ファーローの違い

一時帰休やファーローは、雇用を続けたまま、一定期間だけ仕事を休ませるものです。

これに対して、現在使われるレイオフには、雇用を完全に終了させる意味が含まれることがあります。

例えば、数か月後の復帰を予定して出勤を停止する場合には、一時帰休やファーローに近い措置です。

そのため、会社から仕事を休むよう命じられた場合には、雇用が続くのか、給与が支払われるのか、復帰の予定があるのかを確認しましょう。

なお、ファーローと一時的なレイオフは、同じ意味で使われることもあります。

2-5 レイオフと能力不足を理由とする解雇(Fire)の違い

レイオフとFireの違いは、雇用を終了させる主な理由にあります。

レイオフは、事業縮小、組織再編又はポジション廃止など、会社側の事情による人員削減を指すのが一般的です。

これに対してFireは、能力不足、成績不良又は規律違反など、労働者本人に関する理由で雇用を終了させる意味で使われます。

例えば、所属する部門全体が廃止される場合はレイオフに近く、本人の重大な成績不良を理由とする場合はFireに近いといえます。

ただし、日本にはFireという独立した制度はなく、実際の理由に応じて普通解雇や懲戒解雇などとして判断されます。

3章 外資系企業がレイオフを行う主な理由4つ

外資系企業のレイオフは、労働者個人の能力ではなく、グローバル全体の経営方針によって行われることが多いです。

本社の判断が日本法人にも及ぶため、日本事業が黒字でも対象となる場合があります。

主な外資系企業がレイオフを行う主な理由は、以下の4つです。

理由1:人件費を削減して利益を改善するため
理由2:事業・部門・ポジションを廃止するため
理由3:M&Aや事業統合で重複する役割を減らすため
理由4:AI・自動化や成長分野へ投資を移すため

3章 外資系企業がレイオフを行う主な理由4つ

それでは、外資系企業がレイオフを行う理由について順番に見ていきましょう。

3-1 理由1:グローバルで人件費を削減して利益を改善するため

外資系企業では、利益を改善するために、複数の国で同時に人員を削減することがあります。

人件費は会社の支出の中でも大きいため、短期間で費用を減らす手段としてレイオフが選ばれることがあるためです。

例えば、本社が全世界の従業員数を一定の割合で減らす方針を決め、日本法人にも削減人数が割り当てられるケースがあります。

この場合、日本法人の業績が悪くなくても、グローバル全体の方針によってレイオフの対象となることがあります。

3-2 理由2:事業・部門・ポジションを廃止するため

会社が事業や部門を縮小する場合、その仕事を担当するポジションが廃止されることがあります。

事業から撤退すれば、その業務を担当する人員を維持する必要がなくなるためです。

例えば、日本での販売を終了したり、国内の業務を海外拠点へ移したりするケースがあります。

ただし、ポジションが廃止されたという理由だけで、日本で直ちに解雇が認められるわけではありません。

ポジションクローズについては、以下の記事と動画で詳しく解説しています。

3-3 理由3:M&Aや事業統合で重複する役割を減らすため

M&Aや事業統合の後には、同じ仕事を担当するポジションが重複することがあります。

会社は組織を効率化するために、重複する部門や役割を一つにまとめることがあります。

例えば、統合前の2社にそれぞれ人事部門や経理部門がある場合、統合後に一部のポジションが廃止されるケースがあります。

このような組織再編も、外資系企業でレイオフが行われる主な理由の一つです。

3-4 理由4:AI・自動化や成長分野へ投資を移すため

会社がAIや自動化を進めると、これまで人が担当していた仕事が減ることがあります。

限られた資金を成長が期待される分野へ移すために、既存部門の人員を削減することがあるためです。

例えば、定型業務をシステムに置き換え、その一方でAI開発やデータ分析の部門を拡大するケースがあります。

この場合、会社全体が業績不振でなくても、投資先の変更によって特定の部門がレイオフの対象となることがあります。

4章 外資系企業の日本法人でレイオフが進む一般的な流れ

外資系企業のレイオフは、グローバル本社の発表後、日本法人で対象者への面談や退職条件の提示が進むことが多いです。

ただし、会社や対象者によって手続は異なるため、各段階で何を求められているのかを確認する必要があります。

外資系企業の日本法人がレイオフを進める際の一般的な流れは、以下のとおりです。

STEP1:グローバル本社が人員削減を発表する
STEP2:対象者にHR面談が設定され、退職条件が示される
STEP3:システムへのアクセス制限やガーデンリーブを命じられる
STEP4:社内異動先の探索又は退職合意書への署名を求められる

4章 外資系企業の日本法人でレイオフが進む一般的な流れ

それでは、外資系企業の日本法人でレイオフが進む流れを順番に見ていきましょう。

4-1 STEP1:グローバル本社が人員削減を発表する

外資系企業のレイオフは、グローバル本社による人員削減の発表から始まることが多いです。

本社が、削減する人数、対象となる国や部門、実施時期などの方針を決め、日本法人にも対応を求めます。

例えば、「世界全体で従業員の一定割合を削減する」と発表した後、日本法人に削減人数が割り当てられます。

ただし、全世界でレイオフが発表されたとしても、日本で働く労働者を同じ方法で直ちに解雇できるわけではありません。

4-2 STEP2:対象者にHR面談が設定され、退職条件が示される

対象者には、上司やHRから突然面談が設定され、レイオフの方針や退職条件が説明されることがあります。

面談では、ポジションの廃止、退職日、特別退職金、回答期限などが示されるのが一般的です。

例えば、オンライン面談で対象となったことを告げられ、その直後に退職合意書がメールで送られるケースがあります。

この段階では、解雇の通知なのか、合意退職の提案なのかが曖昧なこともあるため、会社の説明を確認しましょう。

退職条件については、以下の記事と動画で詳しく解説しています。

4-3 STEP3:システムへのアクセス制限やガーデンリーブを命じられる

レイオフを告げられた直後に、社内システムへのアクセスを制限され、業務から外されることがあります。

情報の持ち出しや取引先への影響を防ぐ目的で、会社が対象者を職場から離すことがあるためです。

また、雇用と給与を維持したまま出勤を免除するガーデンリーブを命じられる場合もあります。

このときは、雇用が続いているのか、給与や賞与が支払われるのか、社内連絡を利用できるのかを確認する必要があります。

ガーデンリーブについては、以下の記事と動画で詳しく解説しています。

4-4 STEP4:社内異動先の探索又は退職合意書への署名を求められる

面談後は、一定期間内に社内の異動先を探すか、退職合意書へ署名するよう求められることがあります。

社内異動が決まれば雇用を続けられますが、異動先が見つからなければ、退職条件への回答を求められることがあります。

例えば、数週間の社内公募期間が設けられ、その間に異動先が決まらなければ合意退職を求められるケースがあります。

退職合意書に署名すると、後から退職の効力を争うことが難しくなるため、内容を確認せずに署名することは避けましょう。

5章 外資系のレイオフは違法?日本での法的ルール

外資系企業によるレイオフが、すべて違法になるわけではありません。

ただし、日本で働く労働者を会社の都合で解雇するには、日本の厳しい解雇規制を守る必要があります。

外資系のレイオフの違法性を確認する際に知っておくべきルールは、以下の6つです。

ルール1:日本で働く労働者には日本の解雇規制が及ぶのが原則
ルール2:解雇には合理的な理由と社会的な相当性が必要
ルール3:整理解雇の有効性は4つの要素から判断される
ルール4:原則として30日前の解雇予告又は解雇予告手当が必要
ルール5:解雇予告手当を支払っても不当解雇が有効になるわけではない
ルール6:ポジション廃止やグローバルの決定だけでは直ちに解雇できない

5章 外資系のレイオフは違法?日本での法的ルール

それでは、外資系企業のレイオフに関する法的ルールを順番に見ていきましょう。

5-1 ルール1:日本で働く労働者には日本の解雇規制が及ぶのが原則

日本で継続して働く労働者には、会社が外資系企業であっても、日本の解雇規制が及ぶのが原則です。

労働契約に適用される法律は、通常、労働者が仕事をする場所と深く関係するためです。

例えば、雇用契約書に外国法を適用すると書かれていても、日本の労働者を保護する強行的なルールの適用を主張できる場合があります。

そのため、グローバル本社が海外の基準でレイオフを決定しても、日本で働く労働者を海外と同じ方法で解雇できるとは限りません。

5-2 ルール2:解雇は合理的な理由と社会的な相当性がなければ無効となる

会社は、労働者を自由に解雇できるわけではありません。

労働契約法では、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められない解雇は、権利の濫用として無効になるとされています。

例えば、会社が人員削減を希望しているだけで、その必要性や対象者を選んだ理由を十分に説明できないケースでは、解雇の有効性が問題となります。

外資系企業によるレイオフでも、この解雇に関する基本的なルールが適用されます。

5-3 ルール3:整理解雇の有効性は4つの要素から判断される

会社の経営上の事情による解雇は、一般に整理解雇として有効性が判断されます。

裁判では、主に以下の4つの要素が考慮されます。

・人員を削減する必要性があるか
・配置転換や希望退職の募集など、解雇を避ける努力をしたか
・対象者を選ぶ基準が合理的で公平か
・労働者への説明や協議を適切に行ったか

4つのうち一つだけで結論が決まるとは限らず、事情を全体的に見て判断されます。

そのため、レイオフの人数がグローバル本社から割り当てられたとしても、日本法人で行われた解雇回避の努力や対象者の選び方も問題となります。

整理解雇の4要件については、以下の動画でも詳しく解説しています。

5-4 ルール4:解雇には原則として30日前の予告又は解雇予告手当が必要

会社が労働者を解雇する場合には、原則として少なくとも30日前に予告しなければなりません。

30日前に予告しない場合には、不足する日数分の平均賃金を解雇予告手当として支払う必要があります。

例えば、予告をせずに即日解雇する場合には、原則として30日分以上の平均賃金を支払うことになります。

したがって、レイオフを告げられた際には、退職日と解雇予告手当の有無を確認しましょう。

5-5 ルール5:解雇予告手当を支払っても不当解雇が有効になるわけではない

会社が解雇予告手当を支払っても、解雇が当然に有効になるわけではありません。

解雇予告手当は解雇の手続に関するルールであり、解雇する理由が正当かどうかとは別の問題だからです。

例えば、会社が30日分の平均賃金を支払っていても、人員削減の必要性がなく、対象者の選定も不合理であれば、解雇が無効となる可能性があります。

そのため、解雇予告手当の支払いだけでなく、レイオフの理由や手続も確認する必要があります。

5-6 ルール6:「ポジション廃止」やグローバルの決定だけで直ちに解雇できるわけではない

会社がポジションの廃止やグローバル本社の決定を説明しても、それだけで解雇が有効になるわけではありません。

日本では、人員削減の必要性に加えて、別のポジションへ異動できないか、対象者の選定が合理的か、十分な説明が行われたかなども考慮されます。

例えば、似た業務を行うポジションが残っているのに、異動の可能性を検討せず解雇するケースでは、解雇回避の努力が十分であったかが問題となります。

職務や勤務地が限定されている場合でも、ポジションが廃止されただけで、常に解雇が認められるとは限りません。

6章 レイオフを告げられたときに確認すべきお金と条件

レイオフを告げられたときは、退職金だけでなく、給与、賞与、株式報酬、社会保険なども確認する必要があります。

退職日によって受け取れる金額や手続が変わるためです。

レイオフを告げられたときに確認すべきお金と条件は、以下の5つです。

条件1:退職日までの給与とガーデンリーブ中の賃金
条件2:解雇予告手当
条件3:退職金と特別退職金を含む退職パッケージ
条件4:賞与・コミッション・RSU・ストックオプション
条件5:年次有給休暇・社会保険・離職理由・失業給付

6章 レイオフを告げられたときに確認すべきお金と条件

それでは、確認すべきお金と条件を順番に見ていきましょう。

6-1 条件1:退職日までの給与とガーデンリーブ中の賃金

退職日までは雇用が続くため、原則として給与が支払われます。

ガーデンリーブを命じられた場合も、給与額や手当、賞与、福利厚生の扱いを確認しましょう。

会社には、支給される項目と支払日を文書で示してもらうことが望ましいです。

6-2 条件2:解雇予告手当

会社から解雇される場合には、原則として30日前の予告が必要です。

予告期間が30日に足りないときは、不足する日数分の平均賃金が解雇予告手当として支払われます。

ただし、合意退職の場合は通常、解雇予告手当ではなく退職パッケージの条件が問題となります。

6-3 条件3:退職金と特別退職金を含む退職パッケージ

退職パッケージでは、支給額だけでなく、計算方法や支払日も確認しましょう。

通常の退職金は、雇用契約書や退職金規程に定めがある場合に支払われます。特別退職金は、合意退職に応じる条件として上乗せされることがあります。

「給与の6か月分」などと示された場合には、基本給だけか、手当や賞与も含むのかを確認する必要があります。

退職パッケージについては、以下の記事と動画で詳しく解説しています。

6-4 条件4:賞与・コミッション・RSU・ストックオプション

賞与や株式報酬は、退職日によって受け取れる金額が変わることがあります。

賞与やコミッションは、支給日、在籍要件、成約や入金の時点を確認しましょう。

RSUやストックオプションについては、権利確定日、未確定分の扱い、退職後の行使期限を確認します。

6-5 条件5:年次有給休暇・社会保険・離職理由・失業給付

退職前には、残っている年次有給休暇を取得できるか確認しましょう。

退職後は健康保険や年金の切替えが必要となり、離職理由によって失業給付の扱いも変わります。

離職票の記載が実際の経緯と異なる場合に備え、会社の通知や面談記録、メールを保管しておきましょう。

7章 外資系企業からレイオフを告げられたときの対処法6つ

外資系企業からレイオフを告げられても、すぐに退職へ同意する必要はありません。

署名後は退職を争いにくくなるため、会社の通知内容や条件を確認してから回答することが必要です。

外資系企業からレイオフを告げられたときの対処法は、以下の6つです。

対処法1:その場で退職合意書や退職届に署名しない
対処法2:解雇の通知なのか退職勧奨なのかを確認する
対処法3:理由・選定基準・退職条件を文書で求める
対処法4:雇用契約書・就業規則・評価資料・やり取りを適法に保管する
対処法5:退職パッケージを計算し、回答期限の猶予を求める
対処法6:回答する前に労働問題に詳しい弁護士へ相談する

7章 外資系企業からレイオフを告げられたときの対処法6つ

それでは、レイオフを告げられたときの対処法を順番に見ていきましょう。

7-1 対処法1:その場で退職合意書や退職届に署名しない

退職合意書や退職届は、その場で署名せず、一度持ち帰って確認しましょう。

退職勧奨に応じるかどうかは労働者の自由であり、その場で回答する必要はありません。また、一度成立した退職の意思表示は、後から簡単に撤回できるとは限りません。

会社から回答を急かされても、内容を確認する時間が必要であると伝えましょう。

7-2 対処法2:解雇の通知なのか退職勧奨なのかを確認する

会社の説明が、解雇の通知なのか退職勧奨なのかを確認しましょう。

解雇は会社が一方的に雇用を終了させるものですが、退職勧奨は合意退職の提案にすぎません。退職勧奨は、労働者が承諾しなければ退職の効果が生じません。

「これは解雇ですか」「署名しなければ雇用は続きますか」と具体的に質問しましょう。

7-3 対処法3:理由・選定基準・退職条件を文書で求める

レイオフの理由や退職条件は、口頭だけでなく文書で示すよう求めましょう。

確認する内容には、ポジション廃止の理由、対象者の選定基準、退職日、支給額、回答期限などがあります。

解雇を通知された場合には、労働者は解雇理由を記載した証明書を請求でき、会社は遅滞なく交付しなければなりません。

7-4 対処法4:雇用契約書・就業規則・評価資料・やり取りを適法に保管する

会社との交渉や解雇の有効性を検討するため、関係資料を保管しましょう。

雇用契約書、就業規則、給与明細、評価資料、面談案内、会社からの通知やメールなどをとっておきましょう。

7-5 対処法5:退職パッケージを計算し、回答期限の猶予を求める

提示された退職パッケージは、総額と内訳を確認しましょう。

税金、社会保険、RSUなども含めて比較し、検討期間が短い場合には回答期限の延長を求めましょう。

7-6 対処法6:回答する前に労働問題に詳しい弁護士へ相談する

退職条件に回答する前に、外資系企業の労働問題に詳しい弁護士へ相談しましょう。

弁護士に相談すれば、解雇と退職勧奨のどちらに当たるのか、解雇を争える可能性があるのか、退職パッケージに交渉の余地があるのかを検討できます。

とくに、回答期限が迫っている場合や退職合意書に請求権を放棄する条項がある場合には、署名前の相談が必要です。

8章 レイオフを告げられた後の選択肢4つ

レイオフを告げられた後も、提示された条件で退職する以外の選択肢があります。

社内異動を目指す、在籍を続ける、条件を交渉して退職する、解雇を争うなど、状況に応じた判断が必要です。

レイオフを告げられた後の選択肢は、以下の4つです。

選択肢1:社内異動先を探して雇用を続ける
選択肢2:退職勧奨を断って在籍を続ける
選択肢3:退職パッケージを交渉して合意退職する
選択肢4:解雇が無効であるとして労働審判や訴訟で争う

8章 レイオフを告げられた後の選択肢4つ

それでは、レイオフを告げられた後の選択肢を順番に見ていきましょう。

8-1 選択肢1:社内異動先を探して雇用を続ける

社内に別のポジションがある場合には、異動によって雇用を続けられる可能性があります。

社内公募の有無、応募期限、勤務地、給与などを確認し、自分の経験を生かせるポジションを探しましょう。

例えば、日本法人だけでなく、グループ会社や海外部門への異動を検討する方法もあります。

ただし、応募しても異動できるとは限らないため、退職条件の確認も並行して進めることもあります。

8-2 選択肢2:退職勧奨を断って在籍を続ける

会社から合意退職を求められているだけであれば、退職勧奨を断ることができます。

退職勧奨は会社からの提案であり、労働者が応じるか、拒否して勤務を続けるかを選べるためです。

断る場合には、「現時点では退職に同意しません」と明確に伝えましょう。

ただし、その後に会社が解雇を通知する可能性もあるため、会社とのやり取りを記録しておくことが必要です。

8-3 選択肢3:退職パッケージを交渉して合意退職する

条件に納得できる場合には、退職パッケージを交渉したうえで合意退職する方法があります。

交渉では、特別退職金だけでなく、退職日、賞与、株式報酬、有給休暇、離職理由なども確認します。

例えば、退職日を賞与やRSUの権利確定後に変更するよう求めることも考えられます。

退職合意書には、会社への請求を放棄する条項が含まれることがあるため、署名前に内容を十分に確認しましょう。

8-4 選択肢4:解雇が無効であるとして労働審判や訴訟で争う

会社から解雇された場合には、解雇が無効であるとして争う方法があります。

合理的な理由がなく、社会通念上も相当といえない解雇は、権利の濫用として無効となります。

例えば、雇用上の地位や解雇後の賃金を求めて、労働審判又は訴訟を申し立てることが考えられます。労働審判は、解雇などの労働者と会社とのトラブルを解決するための裁判所の手続です。

解雇を争う場合には、会社の通知や退職条件を確認し、早めに弁護士へ相談しましょう。

労働審判と不当解雇の裁判については、以下の動画でも詳しく解説しています。

9章 レイオフについてよくある疑問

レイオフについてよくある疑問としては、以下の6つがあります。

Q1:レイオフの対象になるのは仕事ができない人ですか?
Q2:管理職や高年収の労働者は簡単にレイオフできますか?
Q3:レイオフの通知と同時にロックアウトしてもよいですか?
Q4:退職パッケージの支払いは法律上の義務ですか?
Q5:レイオフによる退職は会社都合になりますか?
Q6:レイオフ後に同じ会社へ再雇用されることはありますか?

9章 レイオフについてよくある疑問

これらの疑問を順番に解消していきましょう。

9-1 Q1:レイオフの対象になるのは仕事ができない人ですか?

A.レイオフの対象になったからといって、仕事ができないと判断されたとは限りません。

レイオフは、事業縮小や部門廃止など、会社側の事情によって行われることが多いためです。

ただし、対象者を選ぶ際に、評価、経験、保有するスキルなどが考慮される場合はあります。

能力不足を理由とする解雇と、会社の経営上の事情によるレイオフは分けて考えましょう。

9-2 Q2:管理職や高年収の労働者は簡単にレイオフできますか?

A.管理職や高年収の労働者であっても、簡単に解雇できるわけではありません。

雇用契約に基づいて働く労働者であれば、役職や年収だけを理由に日本の解雇規制が外れるものではないためです。

会社が一方的に雇用を終了させる場合には、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要です。

9-3 Q3:レイオフの通知と同時にロックアウトしてもよいですか?

A.レイオフの通知と同時に社内システムや職場へのアクセスを制限されても、それだけで直ちに違法になるとは限りません。

会社が情報管理などのために、業務から外すことがあるためです。

ただし、雇用が続いている間の給与や待遇は別に確認する必要があり、ロックアウトによって不当な解雇が有効になるわけでもありません。

会社側の事情で休業させる場合には、休業手当などが問題となることもあります。

ロックアウトについては、以下の記事で詳しく解説しています。

9-4 Q4:退職パッケージの支払いは法律上の義務ですか?

A.特別退職金を含む退職パッケージには、一般的な法律上の支払義務はありません。

会社が合意退職に応じてもらうため、独自に条件を提示するものだからです。

ただし、雇用契約書、就業規則又は退職金規程に通常の退職金が定められている場合には、その規定に従った支払いを求められます。

9-5 Q5:レイオフによる退職は会社都合になりますか?

A.解雇や退職勧奨によって離職した場合には、失業給付上、会社側の事情による離職として扱われる可能性があります。

ただし、退職合意書に署名しただけで、必ず自己都合になるわけでも、必ず会社都合になるわけでもありません。

最終的な離職理由は、会社と労働者の説明や資料を踏まえてハローワークが判断します。離職票の記載に異議がある場合には、ハローワークへ事情を説明しましょう。

9-6 Q6:レイオフ後に同じ会社へ再雇用されることはありますか?

A.レイオフ後に、同じ会社から再雇用される可能性はあります。

本来の一時的なレイオフには、事業が回復した後に労働者を呼び戻す意味があるためです。

ただし、現在の外資系企業で使われるレイオフは、再雇用を予定しない恒久的な人員削減を指すこともあります。

再雇用の時期や条件が文書で示されていなければ、将来必ず戻れるとは考えず、転職活動も進めた方がよいでしょう。

10章 外資系企業の解雇・退職勧奨はリバティ・ベル法律事務所にお任せ!

外資系企業の解雇・退職勧奨は、是非、リバティ・ベル法律事務所にお任せください。

この分野は、専門性が高い分野であるため、弁護士であれば誰でもいいというわけではありません。

解雇の有効性につき見通しを分析したうえで、あなたの意向を踏まえて、外資系企業の性質に応じて適切に方針を策定する必要があります。

リバティ・ベル法律事務所では、解雇や退職勧奨事件に力を入れており、特に外資系企業とのパッケージ交渉について圧倒的な知識とノウハウを蓄積しています。

解決実績の一部については、以下のページから確認する事が出来ます。

解決事例 | 外資系労働者特設サイトbyリバティ・ベル法律事務所 (libertybell-tokusetu.com)

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11章 まとめ

以上のとおり、今回は、レイオフとは何かを説明したうえで、意味・リストラとの違いと外資系での違法性や対処法を解説しました。

この記事が外資系企業からレイオフを言い渡されて悩んでいる方の助けになれば幸いです。

以下の記事も参考になるはずですので読んでみてください。

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